明日は中秋の名月です。
今日は月の話😌
そもそも人はなぜ、月に魅せられてきたか。
月は満ちては欠けてを繰り返す「不老不死」の物体です。
夜空を見上げて、日々変わりゆく月に魅力を感じた
納得のいくことですよね。
魅力と同時に、魔力も感じました。
例えば出産は満月に多い、とか
30日の周期で満ち欠けを繰り返す、とか。
(正確には平均29.5日)
とても謎めいていますよね。
だから、ついでに
この30日を一つのキーワードにして暦が生まれました。
太陰暦と呼びます。
月の満ち欠け30日を1ヶ月。1年は354日になります。
飛鳥時代に中国から伝わりました。
太陽の動きと合せるために2~3年に1回、
1年を13ヶ月にしていたようです。
「1年365日、三歩進んで二歩下がる♪」の歌がありますが
これは、現在日本で使われている太陽(太陽暦)のカレンダーです。
太陽はいつ見上げても、まぶしくて見えないのに比べ
月は見上げて満月なら「15日」、月がなければ「1日」
なんてシンプルでわかりやすい✨
今日って、9月10日じゃない?
そうなんです。今は太陽暦を使っているので9月10日ですが、
日本が明治5年まで使っていた「太陰太陽暦」だと
8月15日なのです🌔
下のカレンダーにある「旧暦」、つまり昔のカレンダーですね。
明日は旧暦では8月15日。
照明がある!遊ぼうぜ!という感じでしょうか。
ラウンドワンもスポッチャもない時代に
月明かりで催すイベントは、人々にとって
さぞや楽しい催しだったに違いありません。
ちなみに、お正月(1月1日)は12月31日の夕刻を”始まり”としていましたし
結婚式も夜に行われるものでした。
昼・太陽を「陽」、夜・月を「陰」とした陰陽道の考え方が
中国から入ってきてからのことです。
1700年代に書かれた有職故実書「貞丈雑記(ていじょうざっき)」には
婚礼のこんな記述があります。
祝儀の部
男は陽なり、女は陰なり。昼は陽なり、夜は陰なり。
女を迎うる祝儀なる故、夜を用いるなり。唐にても婚礼は夜なり。
されば婚の字は女へんに昏の字を書くなり。昏は「くらし」とよみて日ぐれの事なり。
しかるに今大名などの婚礼専ら午の中刻などを用いる事、古法にそむきたる事なり。
男は陽、女は陰。昼は陽、夜は陰です。
女性を迎えるお祝いなのだから、夜にやりなさい。中国(唐)でも婚礼は夜です。
だから婚の字は女偏に昏と書くのです。
昏は「くらし」と読んで「日暮れ」のことなのです。
それなのに今、大名など婚礼をもっぱら昼にするなんて、昔のやり方に背いています。
(簡易訳:高清水)
・有職故実書とは・・・平安時代の公家礼法と鎌倉時代以降の武家礼法を合せて有職故実と
言います。現代風に言うと「これ1冊でOK!マナーブック」といった感じでしょうか。
・午の中刻・・・「うまのこく」お昼11時~13時
話が脱線しましたが、
明日の満月のことを「中秋の名月」「十五夜」「芋名月」と
言います。秋の七草を飾って団子を食べながら月を愛でる。
ぜひ満月を見ながら、太古のロマンを感じてみませんか?