コロナ前、小笠原流礼法の先生に
和室の作法を習ったことがあります。
4時間の講座に、配られたのは
予定を書いたA4で1枚のプリントだけ。
講師をやっている私としては、
一体どうやって4時間をつなぐの?
講座の構成も興味津々で講座に臨みました。
4時間、スラスラと口からこぼれるお話は
一糸乱れず。まるですべてを暗記しているようで
驚いたのを覚えています。
本当に羨ましいな。
そして、コロナ後の今日のこと。
お茶の稽古で、 「四ヶ伝(しかでん)」を行いましたが
四ヶ伝は口伝(くでん)の点前(てまえ)なので
メモをするのも禁止。
とにかく、先生の口伝えに身体で覚えていくしかないもの
と教わりました。
「一筆(ひとふで)もなし」。書いてはならないのです。
そうだな。
昨夜、ふと思い出しました。
あのとき、4時間の講座の始まりに
先生がメモをするのを禁じたことを。
昔の日本に戻ったみたいな気持ちになりました。