幼い頃、私の家は 庭師だった亡き祖父が
それはそれは美しい庭園を造っていました。
正門は、季節になると藤の花が2メートルほどの花の門を作っていました。
なんともいえぬ不思議な 紫の構造美に 見とれたものです。
あるとき、花の終わったあるとき。
ふと門を見上げると、大きな毛虫がついていました。
ギャッ!と驚いたのを覚えています。
以来、藤の花を見かけると
どこかで毛虫を探して 恐れる私がいます。
私の紫のイメージは そんな感覚です。
”聖徳太子”の頃、紫は冠位十二階の最上位の色でした。
西洋でも紫は王のシンボルカラーだったそうです。
なぜか。
西洋で紫色はシリアツブリガイ(別名:ホネガイ)の腸汁で作ったそうですが
1gの紫を作るのに、貝が860個~900個必要だったそうです。
紫作りの前に、貝探しの日々。想像するだけで大変です💦
紫の貴さは日本も同じでした。
今でもその名残りはあって、例えば国会で解散文も
紫色の袱紗(ふくさ)で包まれて”入場”してきます。
しかし、現在の学生に紫に対するイメージを聞くと
妖艶とか、ストレートに”エロい”と言う学生もいます。
紫には深い歴史があるのです。
イエスキリストが総督の前に連れ出された際、
失笑するために王の色である紫色の外衣を着せた、という記事を見たことがあります。
(これは根拠未確認です)
フランス人の友人に聞けば、今でも宗派によっては棺に紫色のカバーがかけられたり
司教の服の一部が紫色だったりするそうです。
また、フランス大使館の方に紹介していただいた方からは
紫は王の色であり、ときに腹黒い色という対極の意味もあるとか。
(キリストを裏切ったとされるユダが紫の服を着ていたから?)
つまり、紫は
美しく、ときに高貴で、ときに悲しく、時にネガティブな
対極色なのかもしれません。